国民年金の2年前納と保険料の還付
国民年金の2年前納制度に伴う保険料の重複
平成26年4月から国民年金保険料の2年前納制度が導入されました。
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前納期間が延長されたことに伴い、パート等の第1号被保険者が前納期間の中途で就職して会社員等の第2号被保険者になるケースもあり、厚生年金保険料と国民年金保険料との二重払いとなることもあり得ます。
重複した保険料の還付
重複した国民年金保険料については、日本年金機構への手続き等により還付を受けることができます(国民年金法施行令9)。
この場合において、前納した保険料の全額について社会保険料控除を受けていた場合には、過大に控除したことになるため修正する必要が生じてきます。
保険料還付に伴う修正手続きのポイント
修正等の手続きを行う上で、就職した時点がポイントになります。
① 控除する前
② パート先などの年末調整で控除した後から確定申告する前まで
③ 確定申告で控除した後
のうち、いつに該当するかによって、それぞれ手続きが異なってきます。
① 控除する前の場合
最も簡単なケースになります。
控除する前、即ち精算手続きを行っていないため、前納額から重複する額を差し引いて、年末調整または確定申告で通常の手続きを行えばいいことになります。
② 年末調整で控除した後から確定申告する前までの場合
年末調整で控除し過ぎた金額を、確定申告で精算することになります。
〇 平成26年4月から平成28年3月までの国民年金保険料を2年前納
〇 年末調整で2年前納分の社会保険料控除を受ける
〇 平成27年1月に就職
⇒ この場合、平成27年1月から平成28年3月までの15か月分を控除し過ぎた金額として、
平成27年2月16日から3月16日までの期間内に確定申告にて精算することになります。
③ 確定申告で全額控除した後の場合
確定申告で控除し過ぎた金額を、修正申告する必要があります。
〇 平成26年4月から平成28年3月までの国民年金保険料を2年前納
〇 平成27年3月に確定申告を行い、2年前納分の社会保険料控除を受ける
〇 平成27年4月に就職
⇒ この場合、平成27年4月から平成28年3月までの12か月分を控除し過ぎた金額として、
速やかに修正申告にて精算する必要があります。
想定されるケースは・・・
子が大学生等で収入が少ないため親が代わりに国民年金保険料を前納する際に、上記の様なケースが想定されます。
この場合、保険料は実際にその金額を納めた親の社会保険料として控除することができます(所法74)。
この様に、全額控除した後に、子が就職したときは、社会保険料として控除した親が修正することになります。