パーティ券の購入は寄附金or交際費?/その2
政治家主催のパーティー券の購入費用の取扱いについて
政治家主催のパーティー券の購入費用は、その目的に応じて「寄附金」または「交際費」に該当することについては、以前の記事でご紹介いたしました。
購入意図が、政治家に対する資金援助を目的とする場合は「寄附金」となり、パーティーに参加して他の者との親睦を図ることを目的とする場合は「交際費」に該当すると考えられます。
>>「パーティー券の購入は寄附金or交際費?│その1」については、こちらをご覧ください。
チケットを購入して欠席した場合は、寄附金or交際費?
前提条件
- 政治家主催のパーティー券を5枚購入(2万円/枚×5枚=10万円)
- 出席4名、欠席1名
- 参加者との親睦を図ることを目的に役員全員分(この設例では5名とします)のチケットを購入
出席者4名分の取扱い
参加した4名分の費用8万円については「交際費」として処理することとなります。
この場合、帳簿書類に所定の事項を記載すれば「接待飲食費の50%損金算入制度」の対象になります。
欠席者1名分の取扱い
パーティーに欠席した役員に係るチケット購入費用2万円については「寄附金」として処理することとなります。
この場合、一定の算式で計算した寄附金の損金算入限度額を超える金額は、損金不算入となります。
寄附金となる理由
政治団体に対する拠出金は、交際費には該当せず「寄附金」に該当することとされています(措通61の4(2)-2)。
したがって、パーティー不参加の1名分に関しては、当初の購入目的が参加して親睦を図ることであったとしても、不参加によりその目的は達成されず、結果として、政治家への資金援助ということになります。
政治資金などのために開催されるもので、パーティー券の購入者は、出席するつもりがなくとも、付き合い等で購入するケースは、その購入目的を政治献金と認められ「寄附金」に該当することとなります。
今般の設例のように、当初は参加するつもりであっても、業務の都合上その他の理由により、結果として不参加の場合、資金援助を行った、との見方になると思われます。
ここには解釈の余地も含まれるであろうと思われますが、税法の世界でいう「事実認定」に照らし合わせて考える必要があります。
事実を積み上げた結果、交際費の概念には該当せず、寄附金の概念に該当することになるため、「寄附金」とされます。
上記は弊所の見解ですが、また別の見解を示す税理士もいるかもしれません。
要は、事実関係とその関係法令をどのように組み合わせるか、ということになります。