節税を意識した売上の計上基準とは
売上の計上基準の考え方として、法人税法22条では、
「各事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き・・・、その事業年度の収益の額とする。なお、収益の額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるものとする。」
と規定されています。
これは、法人税法においては売上の計上基準を特段儲けておらず、会計に準拠する姿勢を示しているのです。
但し、一定のルールは必要となりますので、法人税法基本通達2-1-1「棚卸資産の販売による収益の帰属時期」では、次のような定めがあります。
「棚卸資産の販売による収益の額は、その引渡しがあった日の属する事業年度の益金の額に算入する。」
つまり、引渡し基準を採用する! と謳っているのです。
では、ここで引渡し基準についてみていきましょう。
■ 法人税法基本通達2-1-2「棚卸資産の引き渡し日の判定」
引渡し基準の例 | 売上計上を行う日 | 売上計上の確認方法 |
---|---|---|
① 出荷基準 | 商品を出荷した日 | 自社で作成する発送簿の日付 |
② 納品基準 | 相手方に納品された日 | 納品書の受領印の日付 |
③ 検収基準 | 相手方の検収をパスした日 | 確認通知書を受領した日 |
④ 船積基準 | 輸出時の船に積み込んだ日 | 船荷証券(BL)の日付 |
さて、節税対策としての売上計上基準の考え方ですが、①~④の中で、その引渡しとして最も合理的であるものを採用すると良いでしょう。
決算日前後で受注等が多い業態の場合は、基準を変更するだけで税額に大きな差が生ずるかもしれません。
但し、一点注意事項ですが、これは継続適用といって、一度決めた売上計上基準は、変更する合理的な理由がある場合を除き、毎期継続して適用することが条件、となっていますのでご注意ください。
決算日前後で受注等が多い業態の場合は、基準を変更するだけで税額に大きな差が生ずるかもしれません。
但し、一点注意事項ですが、これは継続適用といって、一度決めた売上計上基準は、変更する合理的な理由がある場合を除き、毎期継続して適用することが条件、となっていますのでご注意ください。