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所得税の還付申告とは

以前の記事で、「所得税の確定申告が必要となる人」、「所得税の非課税の範囲」、「所得の種類と所得金額について」を見てきました。
では、今回は、確定申告をする必要はないものの、申告をすることにより税金が返ってくる場合をご紹介いたします。
このような申告を「還付申告」といいます

還付申告とは!?

還付申告とは、確定申告をする必要がない方でも、源泉徴収された所得税・復興特別所得税や、予定納税をした税金が、年間の所得に対して計算した税額より多い時は、申告をすることによって、納め過ぎた税金が返ってくる制度をいいます。
なお、この還付申告ができるのは、その年の翌年1月1日から5年間となります。

還付申告の具体例

主に給与所得者(サラリーマン)は、次のような場合に還付申告をすると有利になります(税金が返ってきます)。

  • 年の中途で退職して、年末調整を受けなかった場合
    毎月の給与から控除されている源泉徴収税額の一部が還付されます。
  • 住宅ローン控除がある場合
    初年度については確定申告をすることによって、源泉徴収税額の一部が返ってきます。
    2年目以後は、所定の用紙に記入することにより、年末調整で還付を受けることができます。
  • 多額の医療費を支出したとき
    目安として医療費総額が10万円以上かかったときは、源泉徴収税額の一部の還付を受けることができます。
  • 特定の寄附金を支出したとき
  • 配当所得があり、配当控除を受けるとき
    配当金の課税方式は3種類あります。いずれを選択するか、ご自身の所得の状況を鑑みて一番有利なものを選択すると納める税額、還付される税額に差が出てきます。
    ① 申告不要制度の適用
     配当等を受け取った時に20.315%の源泉徴収がされていますので、これで課税関係を完結させることができます。
    ② 総合課税の選択
     確定申告で総合課税を選択することにより、20.315%の源泉徴収された配当所得を他の所得と合算して所得税を計算する方法をいいます。
     この場合、配当控除が適用になります。
     但し、他の所得と合算するがために所得金額が膨らみ、結果として税率が高くなる場合もあります。
    ③ 申告分離課税の選択
     20.315%の源泉徴収された配当所得を他の所得と合算せずに所得税を計算する方法をいいます。
     この場合、上場株式等の損失との損益通算が可能となります。
  • 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき
    この場合は、雑損控除の適用を受けることにより、源泉徴収税額の一部の還付を受けることができます。
  • 特定支出控除の適用を受けるとき
    一定の要件に従い、仕事で要した経費を実額で精算する場合に適用します。

還付申告ができない場合

上記にかかわらず、次のものについては、源泉分離課税により課税関係は完結していますので、源泉徴収された所得税については還付を受けることはできません。

  • 預金利子などの利子所得や投資信託の収益の分配等で一定のもの
  • 特定の金融類似商品から生ずる所得
  • 特定の割引債の償還差益
  • 懸賞金付預貯金等の懸賞金等
我が国は法治国家であります。
「法の不知はこれを許さず」とう法原則があります。
知らなかったでは、損をする場合もありますので、ご自身の財産はご自身で守るためにも、本日ご紹介した還付申告についてはお役立てください。
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