1.クリニックにも経営理念は必要!!
誰もが成功する時代ではない!!
医院・クリニックを取り巻く環境
現在、日本全国には、一般診療所が有床・無床を合わせて約10万施設があります。
毎年開廃業がありますが、トレンドとしては微増傾向にあります。
この数字を多いと見るか少ないと見るかはさておき、集中しているエリアと、そうでないエリアとが存在することは周知の通りであります。
また、10万件の内、内科系クリニックが約6割を占めていることを鑑みると、競争の熾烈さを窺い知ることができます。
専門性の追求と他院との差別化
例えば、内科を例にとってみますと、最近では糖尿病内科・内分泌内科・神経内科・消化器内科、など複雑多岐に、かつ、より専門的に分類されるようになりました。
これは厚生労働省の通達による影響もありますが、マーケティング理論の観点から申し上げると、「市場が成熟していることの現れ」と言えます。
現在ほど施設数が多くない時代であれば「内科」の標榜一本で括っていても十分に認知されていました。
ところが、現在では、
● それでは差別化が図れない
● 他のクリニックと差別化を図らなければ競争に勝てない
とする市場環境が、この様な標榜科目の細分化に繋がったものと考えられます。
つまり、「医者」という職業ではなく、「診療内容」そのものが自身の病気(主訴)に対してマッチしているか否かが選定される基準となってきております。
これは、専門医を取得しなければならないということではなく、患者に対して「対応できる具体的な疾患名を訴えていく必要がある」、ということになります。
成り行きではなく管理する!!
ひと昔前の様に診療報酬が潤沢にあれば、管理しなくてもそれなりに経営は成り立っていました。
なぜならば、入ってくる診療報酬が潤沢であるため、支出を考えなくても手元には資金が残っていたからであります。
ところが、国家予算としての診療報酬が抑えられていく昨今では、事業としての効率を考えなければ診療の継続どころか、生活もままならない状況となってしまいます。
● 診療行為を効率的に報酬に結び付けていくこと
● 支出をコントロールすること
によって、手元資金を増やしていく仕組み創りが必要となってきました。
具体の内容については、後段にて紹介していきます。