タイプ別の会社設立:社会福祉法人
社会福祉法人とは
社会福祉法人とは、社会福祉法の規定によって、社会福祉事業を営むことを目的として設立された法人で、第一種と第二種とがあります。
社会福祉法人は公共性が高いことから、安定的かつ適正な運営が求められます。
したがって、設立時には役員や資産等について一定の要件を定め、運営に関しての規制・監督と支援・助成を一体的に行うスキームが確立されています。
この様に、社会福祉法人は、所轄官庁の厳格な監督下に置かれる一方、補助金の交付、税制面での優遇規定(※)を享受することができます。
※医療保険業の法人税非課税や、固定資産税の非課税措置など
第一種社会福祉事業
- 教護施設、更正施設
- 乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、知的障害児施設
- 身体障害者更正施設
- 知的障害者更正施設
第二種社会福祉事業
- 児童デイサービス事業、助産施設、保育所
- 老人デイサービス事業、老人短期入所施設
- 身体障害者デイサービス事業、身体障害者短期入所事業
- 知的障害者デイサービス事業、知的障害者短期入所事業
社会福祉法人の設立要件
社会福祉法人の設立要件には、「人的要件」と「財務的要件」とがあります。
人的要件
役員の内、理事6名以上が必要となる
各理事と特殊関係のある者が一定数以下であることを要件として、6名の理事が必要となります。
また、社会福祉事業についての学識経験者または地域の福祉関係者が含まれていなければなりません。
役員の内、監事2名以上が必要となる
監事として、
財務諸表を監査する者が1名、
社会福祉事業についての学識経験者または地域の福祉関係者が1名、
選任される必要があります。
なお、他の役員と特殊関係のある者は就任ができません。
評議委員会
設置委託事業、保育所経営、介護保険事業のみを行う法人を除き、原則として設置が必要となります。
評議員の定数は理事数の2倍を超え、法人の施設の整備または運営と密接に関係する業務を行う者は3分の1を超えてはなりません。
地域の代表に加え、利用者の家族の代表を加えることが望ましいとされています。
財務的要因
施設を運営する法人
或いは、国や地方団体から貸与もしくは使用許可を受けていること、
のいずれかが必要となります。
都市部など土地の取得が極めて困難な地域においては、民間から土地部分についてのみ賃借することが認められます。
この場合には、地上権または借地権の設定が必須となります。
また、全ての不動産について賃借または使用許可を受ける場合には、1,000万円以上の基本財産を有していることが必要となります。
なお、特別養護老人ホーム、保育所など一部の事業についてはこれらの要件を緩和する通知が施されています。
施設を運営しない法人
原則として1億円以上の基本財産を有していることが条件となります。
この場合、委託費等で安定的な収入を見込める場合は、所轄官庁が認める額となります。
なお、居宅介護事業、地域・共同生活援助事業、介助犬訓練事業または盲導犬訓練事業については、これらの要件を緩和する通知が施されています。
【株式会社】 最もポピュラーな設立形態です。 |
【合同会社】 初期コストを抑えた設立形態です。 |
【NPO法人】 資本金0円、法定費用0円で法人設立が可能です。 |
【医療法人】 医療法の規定に基づく設立形態です。 |
【社会福祉法人】 社会福祉法の規定に基づく設立形態です。 |
【一般社団法人】 公益・共益・営利を目的として人が集まって法人格を取得する設立形態です。 |
【一般財団法人】 公益・共益・営利を目的として、財産を中心に成立する設立形態です。 |
【学校法人】 私立学校法に基づき私立学校の設置・運営を目的とした設立形態です。 |
【宗教法人】 宗教法人法の規定に基づいて法人格を持った宗教団体です。 |