外注費等の締め日が月末でない場合
外注費等の締め日が月末でない場合には、
「締め日の翌日~月末までに要した金額」
を経費として未払い計上することができます。厳密にいうと、未払い計上しなければなりません。
その根拠としては、法人税法22条、所得税法37条、に規定されています。
法人税や所得税においては、経費は大まかに「原価」「販売費及び一般管理費その他の費用」「損失」に区分されます。
原価とは、売上に対応するものをいいます。例えば商品を売り上げた場合の、その商品の仕入金額となります。
販売費及び一般管理費とは、いわゆる販売促進費などの一般的な費用をいいます。
そして、損失とは、突発的に生じた費用をいいます。例えば固定資産を売却した場合の売却損失などがこれに該当します。
それぞれ、損金処理(費用処理とイメージいただければ結構です)の基準として、
・原価=売上との対応関係で決定
・販売費及び一般管理費=債務確定基準
・損失=その発生の事実
となります。
今般取り上げる、販売費及び一般管理費については「債務確定基準」が採用されることになります。
債務確定基準とは、その事業年度終了の日までに債務の確定したものをいい、具体的には次の3つの要件が挙げられています
- (1)その事業年度終了の日までに、債務が成立していること
- (2)その事業年度終了の日までに、債務について具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること
- (3)その事業年度終了の日までに、債務についてその金額を合理的に算定することができるものであること
つまり、外注費等の締め日が20日であった場合、
21日~月末まで
の金額を洗い出して、経費として未払い計上することとなります。
外注先等の得意先が多くなればなる程、この事務手数がかかることになります。
ある意味、節税対策ともとれますが、節税よりももっと大事な経営という視点で見た場合、この事務手数はかなりの負担になるはずです。
これにより、他の業務に支障をきたし、チャンスロスが生ずる可能性も考えられます。
したがって、得意先との関係もあろうかとも思われますが、なるべく「締め日=月末」となさる方が良いと考えられます。
売上の場合は、「権利確定主義」となりますので、経費でいうところの「債務確定基準」と表裏の関係となります。
よって、売上の締め日も「月末」になされた方が良いと考えられます。